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近代セールス掲載コラム: メンタル不調で休職をしていた後輩が復帰する

近代セールス掲載コラム: メンタル不調で休職をしていた後輩が復帰する

仕事のツライを軽くする ココロの健康管理術(第8回)

執筆者
株式会社オフィシア代表
原 美聖

最近はメンタルの不調で仕事から一時的に離れるという人もいます。でも、あなたの職場で、メンタルの不調で休職をしていた後輩が復職することになったら戸惑ってしまうかもしれませんね。今回は、復職時の接し方のポイントをお伝えしましょう。

まずは、メンタル不調に対する正しい知識を持つことからスタートです。メンタル不調とは、過度の疲労や精神的ストレスなどが原因で起こる脳の機能障害です。心が弱いから頑張りきれずになってしまったのではなく、反対に頑張り過ぎた結果であるということを理解しましょう。

復職するということは、業務ができる状態にまで回復しているということ。しかし、復職後に緊張状態が続けば新たなストレスとなり、体調が再び下降してしまう場合もあると心に留めましょう。そのためにも、腫れ物に触るような態度をとらないことが大切です。

初日に温かく受け入れる

対応は、初日が肝心。職場全体で温かく迎えてあげましょう。復職者にとって、初日は特に緊張します。久しぶりに出社するだけでもドキドキするうえ、周りの人に迷惑をかけたという気持ちも加わり、受け入れてもらえるかが気になるものです。みんなで優しい笑顔で迎え、 「回復して良かった」「復帰してくれて嬉しい」という気持ちを伝えてあげましょう。

復職直後は通勤だけでも疲れるので、最初の1カ月は職場環境に慣れることを目標にして「慣れていってね」と温かく見守ってあげてください。かといって、 「仕事はしなくていいから」と業務を全然任せられないのも、つらく感じるものです。期限や顧客対応のない仕事(通常業務の30%程度)から始めて、本人と話し合いながら、段階的に業務量を増やしてあげましょう。休職期間中に職場で変化したことがあれば、さりげなく教えてあげるといいですね。

 

本人の焦りを取り除く

本人が「休職した分を早く取り戻さなければ」と知らず知らずのうちに自分にプレッシャーをかけていることも多いものです。あなたのほうから時々ひと声掛けて、焦らないでよいこと、いつでも手伝えることを伝え、必要に応じてフォローをしてあげてください。

上手くできたことがあれば「助かったよ」「よくやってくれた」 と認めて、自信がつくようにしてあげましょう。休職前の感覚が戻ってきたという言葉が聞ければ安心ですね。寄り添い、精神面をサポートしてくれる先輩は、今後のキャリアの中でも何よりの力になります。健康な心身を維持して、一緒に頑張ってください。

執筆者

原 美聖 (はら みさと)
株式会社オフィシア 代表取締役

上智大学卒。JPモルガンにて資金為替部、グローバルマーケット部に勤務後、株式会社オフィシアを創業。官公庁、大手金融機関、一般企業向けに人事コンサルティング、研修を多数実施。

官公庁・企業向けのコンサルティング、カウンセリング、研修を実施するかたわら、東京家庭裁判所非常勤職員 (人訴事件担当参与員) を務める。また、東京都若者相談 [若ナビ] 事業責任者、日本ゲシュタルト療法学会監査役を歴任。

資格

公認心理師、キャリアコンサルタント、シニア産業カウンセラー、EAPコンサルタント