仕事のツライを軽くする ココロの健康管理術(第7回)
執筆者
株式会社オフィシア代表
原 美聖
今までは向こうから挨拶をしてくれていたのに、最近はこちらが挨拶をしても返事が返ってこない。顔色も悪いようだし、なんだか変だなぁ。そういえばミスも増えているけど、どうしたんだろう――。こんなふうに、いつもと違った様子の後輩が気になったりすることはありませんか。
周りから声を掛ける
真面目で責任感が強く、何でも完璧にしようと頑張る傾向にある人は、大変な状況が重なっても一人で頑張り続け、知らず知らずのうちにストレスや疲労が溜まっていることがあります。そのままのペースで仕事を続けているとメンタル不調になる可能性がある人(予備軍)かもしれません。メンタルの不調は本人も気がつきにくいので、周りが様子をみて声を掛けてあげることが大切です。
声を掛ける際は、 「元気がないようだけど病気じゃないの?」「メンタル不調?」などと病気に関する言葉は出さないこと。 「訪問先を間違ったようだけれど、どうしたの?」とか「ミスが続いてるようだけれど、どうしたの?」というように、実際の様子に沿って聞くようにしましょう。
また、上司や先輩に大丈夫かと尋ねられると、調子が悪くてもなかなか「調子が悪いです」とは言えないものです。相手が反射的に「大丈夫です!」と答えてしまわないよう「どう?」 (HOW?)と聞くのもコツです。
睡眠状況を確認する
次に、睡眠状況について確認してみてください。熟睡できているのであれば心配ありませんが、眠れない日が2週間続いているようなら「睡眠が心配なので産業医の先生に相談したら」 「内科でいいから受診してみたら」と薦めてください。そして、業務の負荷を尋ねて、できる範囲で調整してあげましょう。心配な後輩について、あなたが上司や産業医に相談することも有効です。
日頃から「何でも相談していいんだよ」 「何かあったら相談してね」と伝えておくと、 〝安心感〟とともに、この人は頼れるという〝信頼関係〟が生まれますし、それが不調の予防にもなります。「昨日のサッカー面白かったね」「あそこのランチ美味しかったよ。今度一緒に行こうか」など、業務に関係ない雑談も効果的ですので、ちょっとした仕事の合間に、さりげなく声を掛けてあげましょう。
執筆者 原 美聖 (はら みさと) 上智大学卒。JPモルガンにて資金為替部、グローバルマーケット部に勤務後、株式会社オフィシアを創業。官公庁、大手金融機関、一般企業向けに人事コンサルティング、研修を多数実施。 官公庁・企業向けのコンサルティング、カウンセリング、研修を実施するかたわら、東京家庭裁判所非常勤職員 (人訴事件担当参与員) を務める。また、東京都若者相談 [若ナビ] 事業責任者、日本ゲシュタルト療法学会監査役を歴任。 資格 公認心理師、キャリアコンサルタント、シニア産業カウンセラー、EAPコンサルタント |