コラム

近代セールス掲載コラム: ノルマが達成できない

近代セールス掲載コラム: ノルマが達成できない

仕事のツライを軽くする ココロの健康管理術(第3回)

執筆者
株式会社オフィシア代表
原 美聖

皆さんには様々な種類のノルマが課されていることでしょう。達成できそうにないと、期末に近づくにつれ焦ったり憂鬱な気分になってきたりしますよね。「あ~、目標に○○円足りない。今月達成できないと3カ月連続だ。また上司に呼び出されてお説教か…」なんて経験は、多かれ少なかれ誰しもあるかと思います。

実はツラくなる人に多く見られるのが、 「ノルマ=義務」と捉えて、達成できなかったときに自分を責めてしまう心理。つまり、「できなかった事柄」ではなく、「できなかった自分」に焦点を当ててしまっているのです。これでは自分を否定することになるので苦しくなりますよね。

そんなときに大切なことは、自分を責めないこと。達成できなかったという「事柄」は反省しても、自分の「人格」は否定しないこと――事柄と人格を切り離して考えることがカギとなります。

 

開き直ることが大切

具体的には、自分なりに努力し、頑張って達成できなかったのですから、まずはやれるだけやった自分を労ってあげましょう。そして、 「行き詰まっても一年中続くわけではない。こんなときもあるさ」と開き直ることも大切です。真正面から受け止めすぎず、上手く左右にかわしていきましょう。

また、落ち込んでも、その気分を持ち越さないことも大切です。達成できない数字にこだわってくよくよ考えると、モチベーションはどうしても下がってしまいます。次に達成するための準備期間と捉え、早めに次回の目標へと気持ちを切り替えて、新鮮な気持ちで仕事に打ち込みましょう。

それから部分的にでも成功した具体例を書き出してみましょう。案外できていることに気がつき、達成感や充実感を維持できますよ。ちょっと角度を変えて、 「毎回全員が達成できてたら目標にならないから、毎回は達成できないレベルに設定されているんだ」とノルマを課す側に立って考えてみるのも一案です。

 

ノルマを成長の材料に

以上は、ノルマを達成できなかった際の考え方のコツですが、達成できてもできなくても、月に一度は関わった顧客の顔を思い浮かべて、振り返る時間を作ってみてください。人は「誰かの役に立てた」と実感できると、自己肯定感や意欲が高まっていくものです。

ノルマがあるから現実的なプランが立てられ、自分も成長できる――。こんなふうに、未来につながるプラス思考になれるといいですね。

執筆者

原 美聖 (はら みさと)
株式会社オフィシア 代表取締役

上智大学卒。JPモルガンにて資金為替部、グローバルマーケット部に勤務後、株式会社オフィシアを創業。官公庁、大手金融機関、一般企業向けに人事コンサルティング、研修を多数実施。

官公庁・企業向けのコンサルティング、カウンセリング、研修を実施するかたわら、東京家庭裁判所非常勤職員 (人訴事件担当参与員) を務める。また、東京都若者相談 [若ナビ] 事業責任者、日本ゲシュタルト療法学会監査役を歴任。

資格

公認心理師、キャリアコンサルタント、シニア産業カウンセラー、EAPコンサルタント